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秦創平

少額太陽光発電投資と実物不動産投資、今から始めるならどっち?メリット・デメリットを比較

太陽光発電投資を少額で始めるメリット・デメリットは?

太陽光発電投資というと数千万円の資金が必要なイメージがありますが、近年は少額で始められるものも出ています。ライターの秦創平さんに、少額太陽光発電投資と実物不動産投資を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説していただきました。ぜひ自分に合った投資手法を見つけるきっかけにしてください。

少額太陽光発電投資と実物不動産投資を比較

国がクリーンエネルギーの導入を推進する近年、太陽光発電投資は大きな脚光を浴びました。一方、現在では、制度が変更されたために収益を得るのは難しいという意見もあります。

今から太陽光発電投資を始めても収益を得られるのか、それとも別の投資に資金を投下する方が良いのか、迷う方もいるのではないでしょうか。

結論をお伝えすると、太陽光発電投資は、今からでも長期安定的な利益を得られます。また、クラウドファンディングを活用すれば、少額から始めることも可能です。

この記事では、少額太陽光発電投資のメリット・デメリットと、同様に長期的な収益を得られる投資として、実物不動産投資のメリット・デメリットを解説します。

少額太陽光発電投資のメリット・デメリット

少額太陽光発電投資のメリットは、国が定めた制度に裏打ちされた収益と、管理に手間がかからない手軽さです。

その一方で、業界の新しさゆえに業者の見極めが難しいポイントなどがデメリットとなります。

少額太陽光発電投資のメリットとデメリットについて解説します。

メリット①制度に裏打ちされた長期安定的な収益

太陽光発電投資は、発電設備で発電した電気を電力会社へ売却することによって利益を得る投資手法です。つまり、収益は、発電量と電力会社が設定する電気の買取額に左右されます。

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しかし、現在は国が固定価格買取制度(FIT制度)を定めて買取価格を保証しています。国として再生可能エネルギーの導入を推進するためです。

※参照:経済産業省 資源エネルギー庁

固定価格買取制度を利用すると、経産省の認可を取得して電力会社と契約すれば、最長20年は同じ価格で売電できます。ただし、買取保証期間は売電量によって左右されるため、あらかじめ確認が必要です。

固定価格買取制度を利用すれば、太陽光発電投資の予測表面利回りは平均的に10%を超えます。国が定めた制度に基づく長期安定的な収益が、太陽光発電投資の最大のメリットです。

メリット②専門知識は不要で管理の手間もかからない

少額太陽光発電投資は、運用に関する意思決定を運用業者に任せられます。自分で維持管理する必要がないので、手間がかかりません。出資後は運用業者に任せておけば、あとは収益を受け取るだけです。

維持管理が不要なうえ、運用期間終了後に売却する手間もかからないので、専門知識が必要ありません。少額太陽光発電投資は、難しい制度や設備の勉強などしなくても、気軽に始められます。

デメリット①制度終了後の見通しを立てにくい

太陽光発電投資は収益が長期安定している一方で、その収益は国の定める制度に依存しているともいえます。

制度は今後大幅に変更されることも考えられます。現在の制度が終了した後、太陽光発電投資の収益性が維持されている保証はありません。

収益性が下がれば、将来的に設備を売却しても、あまり利益が出ない可能性もあります。少額太陽光発電投資は、制度終了後の見通しが立たないため、売却時の利益を得られるかは不透明です。

デメリット②運用元の倒産リスクなどを見極める必要がある

少額太陽光発電投資は、すでに解説したとおり、維持管理を運用業者に一任できます。しかし、万が一運用業者が倒産してしまうと、元本を回収できなくなる恐れもあります。したがって、投資の前に、運用元の業者を慎重に見極めることが必要です。

少額太陽光発電投資は、金融や不動産などと比較すると業界が新しく、豊富な実績を持つ業者がそれほど多くありません。投資の業者選定において、過去の実績をよく確認することは必須です。

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よって、少額太陽光発電投資の場合は、少ない材料に基づいて業者を判断する必要に迫られるのがデメリットとなります。

実物不動産投資のメリット・デメリット

少額太陽光発電投資は、主に長期継続的な利益を獲得できるのがメリットです。同様のメリットを持つ投資として、実物不動産投資が挙げられます。

ここからは、実物不動産投資のメリットやデメリットについて解説します。

メリット①長期的な見通しを立てやすい

不動産投資の収益は、国の制度に依存するものではありません。景気変動の影響を受けることはありますが、景気が悪化したら、売却を見送って保有する選択肢も取れます。

立地がよく賃貸需要のある物件に投資できれば、安定した収益を見込めるほか、投資終了時に物件を高く売れる可能性もあります。より大きな収益を狙えるうえ、長期的な見通しも立てやすいのが不動産投資のメリットです。

メリット②実績ある業者も多く比較的見極めが容易

不動産投資は、投資の世界においても業界の歴史が長く、実績豊富な業者も多いです。このため、事前に過去の実績を確認して業者を見極めることができます。

また、不動産投資は業界の歴史が長いため、成功している投資家も多く、成功例を探しやすいです。いわゆる「投資仲間」も見つけやすく、投資家同士の情報交換も容易にできます。ネットワークを作って情報交換しやすいのも不動産投資のメリットです。

デメリット①空室リスクがある

不動産投資は、立地の見極めが不十分だと居住者が入らず、収益を獲得できません。また、不動産投資は、賃貸管理費や固定資産税のほか、集合住宅ならば管理費・修繕積立金など維持管理費が多くかかります。

空室リスクに関する対策が不十分だと、赤字がすぐに膨れ上がってしまうのは不動産投資のリスクです。

空室リスクを減らすためには、ただ住戸内の設備などを整えればいいというだけではなく、優秀な賃貸管理業者に管理委託することも必要です。賃貸管理業者が持っている入居者募集の力量も、投資の成否に大きな影響を及ぼします。

デメリット②長期的な管理運用には専門知識も必要

最終的に不動産投資を成功させるためには、物件の売却を成功させることが必要です。売却を成功させるためには、賃貸需要のある物件に投資するほか、売却時期の見極めも重要になります。

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売却時期を見極めるためには、損益分岐点(=収支がプラスからマイナスになるタイミング)を掴むことが重要です。

損益分岐点の見極めには、不動産に関する知識以外に、税金などの知識も必要になります。長期的な不動産投資を成功させるためには、マーケットの見極め以外にも複数の専門知識を要します。

不動産投資は勉強するポイントが多いため、ある程度勉強する時間が最初に必要です。

まとめ

少額太陽光発電投資は、国の制度に裏打ちされた長期安定的な収益を得られます。しかし、今後制度が変更される可能性もあるので、制度終了後の見通しは不透明です。

一方、実物不動産投資は収益を制度に依存しているなどのことはありません。また、物件選びに成功すれば、物件の売却によって大きな収益を得られます。他方、空室リスクがあることや、専門的知識の勉強を要するポイントなどはデメリットです。

まずは投資目的を明確にしてから、得られる利益の優先順位をつけることが、投資対象を選ぶカギとなります。

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フリーライター
秦創平

国内不動産会社に10年、海外不動産投資会社に2年勤務経験アリ。現在は不動産関連の記事を中心に執筆するフリーライターとして活動中。


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