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田中幹人

ホスピタリティの起源とHOTEL SHE/LTER(ホテルシェルター)の深い関係

今こそ、ホスピタリティ業界が捉えなおすべき自分たちの存在意義

ビジネスホテルやカプセルホテルなども登場し、ビジネスや観光で出かけた先での「寝泊まり」の場所としての印象が強まっている現代のホテル。

しかし、ホテルやホスピタリティの語源に立ち返ると、これからの時代に担うべき役割も見えてきます。

今回は、京都の人気ホテル『HOTEL SHE, KYOTO』(ホテル シー キョウト)のスタッフ、田中幹人さんに、これからのホテルの役割と、『HOTEL SHE/LTER』(ホテル シェルター)という取り組みについてご紹介いただきました。

新型コロナウイルス感染症による突然の休館

「サービス業の人がマスクをつけるのはどうなんだ?」という世の中の風潮を、今では遠い過去のように感じます。

2020年3月中旬、私の働くHOTEL SHE, KYOTOは大学生の長期休暇と重なって、稼働率も高く賑わっていました。修学旅行以来初めて京都に来た、神社仏閣が好きで回っている。中にはHOTEL SHE, KYOTOを目的に来たなど嬉しい理由もありました。コロナウイルスによる影響が取り沙汰され始めた頃、テレビでの報道と勤め先とのギャップに「あれ?あまり関係がないな?」とまで思っていました。そこから、1週間ほどしてから急展開に。

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キャンセル依頼のメールに電話、毎日寝て起きたら変わる情勢に現実感もなく過ごしていました。そして感じる不安。ちょうどその頃、東京でホテルのスタッフが感染し、ホテル自体が営業停止になったという報道も耳にしました。

もし自分自身が感染してしまったらどうなるのだろうか?営業停止してしまったら、宿泊を楽しみにしてくださっているゲストの方たちが泊まれなくなってしまう。そしてフロントに立ち、多くのゲストと関わる自分の体についても危険を感じました。

そして4月5日のチェックアウトを最後に、HOTEL SHE, KYOTOは休館することに。(※5月30日から再開することが決まりました。)

休館が決まりHOTEL SHE/LTERのサービスを立ち上げた

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弊社の代表、龍崎は「STAY HOME」というのはすべての人にとってベストな選択肢なのだろうか?という疑問から『HOTEL SHE/LTER』(ホテル シェルター)というサービスを考案しました。

名前の通り、ホテルがシェルターとなって様々な理由から自宅にいることが安全でない人の拠り所になる。そのような場所を我々が運営するホテル以外でも広めたいという趣旨の企画です。

・現在も外に働きに出ており、自宅に帰ることで家族や大切な人に感染させてしまうのではないかと不安に駆られている。

・家庭内の不仲で自宅にいたくない。

・在宅ワークになったが、ずっと自宅では集中できない。

など理由は様々でしょうが、こうした方々にホテルを利用していただけるようにしたいと我々は考えました。実際に事前のアンケート結果でも「家庭内にトラブルを抱えている」という回答が少なくなく、正直驚きました。

その時に私は改めて「ホスピタリティ」について思索しました。今まで、ホスピタリティ業界にいて、ホテルで観光やビジネス利用の多くのゲストと出会い、相手に喜んでいただくためにサービスを提供してきました。そこから今回のようなことが発生し、「ホテルやホスピタリティとはなんなのだろう?」と思うようになったのです。

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ホスピタリティの起源は?

私はもともと、ホスピタリティ業界におらず、大学でも経営学(マーケティング)を専攻していたのでホスピタリティとはなんぞや?と思っていました。

試しにWikipediaで調べてみましょう。

ホスピタリティ (英:hospitality) は、一般に「もてなし」と訳される。

ホスピタリティ - 1980年代に活躍した日本の競走馬・種牡馬。

ホスピタリティ産業 - 情緒的な人的接客サービスを提供する業種の総称。

うーん…「もてなし」と訳される、1980年代に活躍した日本の名馬、情緒的な人的接客サービスをを提供する……これではわかりませんね……。

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歴史を遡ってみましょう。実はこの分野も学者や実務者によって多くのことが研究されています。ホスピタリティの起源は諸説あるものの、「共同体外からの未知の訪問者(stranger)を歓待し、宿泊・食事・衣類を無償で提供」する「異人歓待」という風習に遡るという見解は多くの論者が一致しているようです。

すでに現在のホテルの形に近いですね。共同体外から未知の訪問者を歓待する、このようなエピソードが古くは聖書や古代ギリシャ・ローマ時代にも関連する記述があります。

次はホスピタリティの語源を調べてみましょう。hospitalityはラテン語のhospesが元になっており、「客人をもてなす主人」という意味です。そしてhospesから派生した言葉でhospice(旅人の休息所)やhospital(病院)があり、旅人や異なる場所からきた人を守るという意味合いが強い言葉だということがわかります。

HOTEL SHE/LTERの意義と今後のホテルについて

ホスピタリティの起源や語源を遡ってみると、観光やビジネス利用でいらっしゃる人が泊まる、現在のホテルというイメージよりも幅広いことがわかります。

まさに『HOTEL SHE/LTER』の、様々な理由から自宅にいることが安全でない人の拠り所になるというビジョンと合致しています。観光業の象徴としてあったホテルという存在が、奇しくもコロナウィルスによって観光だけでない、福祉的な役割も担っていくのではないでしょうか。

ホテルで働いていると「衣食住」全てに携われることができる魅力的な仕事だと感じます。この総合的な要素が含まれているホテルだからこそ、今後は多くの人に役立つ空間を提供できるはずだと私は思います。

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生涯成績11戦10勝、なんと名馬ホスピタリティは日本馬に負けたことがない状態で引退し、最強馬とも言われるほど。現在のホスピタリティ業界は大変な状況ではありますが、この名馬のように力強く、そして業界全体で手を取り合って新たな価値を育んでいきたいです。

ちなみにホスピタリティの子はドクタースパート。hospesから派生したhospitalとも繋がりますね……おあとがよろしいようで。

Image of 田中幹人

Profile

HOTEL SHE, KYOTO ホテルスタッフ
田中幹人

京都にあるHOTEL SHE, KYOTO(L&G GLOBAL BUSINESS)にてホテルスタッフとして勤務。耐久消費財専門の広告制作会社でプランナー、建設現場で使用する足場などの仮設材メーカーでマーケティングを従事したのち、「衣食住」により近いサービスに携わりたいと考え現職に就く。好きなものは国内外のブティックホテルとHIPHOPミュージック。

<参考資料>

・徳江純一郎『ホスピタリティ・マネジメント(第2版)』(同文舘出版)


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