起案者ストーリー

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WealthPark Investment

地域の方、投資家の方と一緒に宿泊施設を作っていく。

トマルバ ✕ クラウドリアルティ 対談

京町家を宿泊施設として再生し、運営する事業を手がけている株式会社トマルバ(以下トマルバ)。クラウドリアルティで京町家から宿泊施設へと再生した初のプロジェクトで7,200万円を集め、2018年3月「宿ルKYOTO鏡ノ宿」をオープンしました※。京都というコミュニティが確立している地域において事業を始めるにあたってはいろいろと苦労もされたそう。創業に込められた想い、地域コミュニティとの向き合い方、そしてクラウドリアルティでの資金調達において感じたメリットは何だったのか。トマルバ取締役の山田さんにお話をお聞きしました。

※京町家再生プロジェクト
プレスリリース
プロジェクト募集ページ
トマルバによる京町家に関するプロジェクトは、この他にも4プロジェクトがすでに満額成立となっています。
株式会社トマルバ co-founder取締役 山田真広 Masahiro YAMADA

Profile

株式会社トマルバ
co-founder取締役
山田真広 Masahiro Yamada

トマルバ共同創業者。渋弁.comの立ち上げ後、VCとエンジェル投資家を株主に迎え入れ、ITサービスを複数立ち上げる。現在は京都で京町家・古民家再生・一棟貸しの分散型ホテルのプロデュースと運営を行い、規模を拡大中。

目次

「人を笑顔にする」ビジネスの原点

鬼頭トマルバには、これまで京町家に関するプロジェクトの資金調達でご協力をさせていただいています。いろいろとお聞きしたいことがありますが、まずは創業秘話からお聞かせください。

山田大学生のころからイベントサークルを作ったり、不動産仲介のビジネスを始めたりしていたので起業家につながる体験はいろいろあるのですが、ベンチャー企業「宅麺.com」での体験が原点になるかもしれません。

これは有名店のラーメンを冷凍し、通信販売するというビジネス。大学に通うかたわら、ここで3年ほど働きました。加えて、週末に飲食店でバイトもしていて思ったのが、飲食ビジネスってすごく面白いな、ということです。

店に来てくれた人が笑顔になり、「ありがとう」「ごちそうさま」って声をかけてくれる。そこで色々な出会いやストーリーが生まれていく場所を提供できるという部分に、面白さ、楽しさを感じて、ラーメン店を起業しようと決意しました。ただ、そのタイミングで現在のトマルバ代表の芦野に出会ったのです。

「海外で流行っているファストデリバリーを日本でも手がけたい」という芦野の想いに共感し、ラーメン店ではなく、オフィスに弁当を届ける「渋弁.com」を芦野と二人でスタートさせました。

鬼頭ナスの着ぐるみで渋谷を走り、弁当をデリバリーする姿が話題になりました(笑)。それが最初の起業だったのですね。

山田そうなんです。メディアに取り上げられたりして話題にはなりましたが、これが思った以上にうまくいかない。資金が底をつきかけましたが、出資をしてくれるベンチャーキャピタル、エンジェル投資家の方に出会い、いくつかの事業を手がけました。キュレーションメディアを作ったり、ライブコマースを手がけたり、Web制作の受託をしたりと、いろいろなチャレンジをして生き長らえていました。

鬼頭トマルバの創業まで紆余曲折があったことが分かります。その後、シェアリングエコノミー関連の事業を展開されていますよね。

山田新宿を拠点に手がけた民泊事業ですね。この事業は軌道に乗って資金調達にも成功し、一時は新宿エリアで50件に拡大するまでになりました。しかし、民泊関連の法律が改正されるタイミングで、どうも事業者にとって良くない方向になりそうだということを察知し、撤退を決意。事業を売却することにしたんです。

ただ、僕たちは民泊を手がけることでノウハウも蓄積できていました。これを駆使して何かできないか……と、全国的に視野を広げてリサーチしていた時に出会ったのが京町家です。代表の芦野がすっかり惚れこみ、京町家をリノベーションして宿泊施設として再生させる運営事業を立ち上げることに――これがトマルバ創業までの経緯ですね。

正直なところ、当初、僕は京都にも町家にもピンときていませんでした(笑)。ただ、芦野には『何が何でも町家を事業にしたい』という熱意がありました。そして、僕も飲食店のビジネスに魅せられた、自分の原点を思い出したんです。その後に手がけた新宿の民泊もそうですが、「人を笑顔にする」のが僕のビジネスの原点です。

鬼頭と対談する山田さん

街の魅力を伝え、地域にお金の流れを作る

鬼頭不動産ビジネスでは近隣との関係づくりが重要なポイントになると思いますが、京都の街の人たちとの向き合い方はいかがでしょうか。僕たちクラウドリアルティもステークホルダーとの関係づくりには注力してきました。密接な関係づくりの秘訣をぜひ聞かせてください。

山田僕は2016年の10月から先行して京都に引っ越し、一人でずっと事業の立ち上げを行っていました。東京に本社を残し、京都支社としてスタートしていたら、きっと今ほどうまくいかなかったでしょう。なぜなら、京都で仕事をしようと思ったら、名刺の電話番号が「03」から始まるというだけで拒否反応を示されることもあるんです。

京都に本社も住所も移し、覚悟を決めて本気で事業をやっていく。その決意が伝わったから、京都の人たちにも認めてもらったのかな、と思います。ただ、それでもなじむまでには1年ぐらいかかっています。挨拶の作法ひとつとっても最初は手探りでしたから。

鬼頭現在はトマルバのビジョン、やりたいことも伝わり、理解していただいているのでしょうか? クラウドリアルティとのプロジェクト「宿ルKYOTO鏡ノ宿」をはじめ、町家の運営代行を行なっている町家は60軒以上になるそうですね。

山田そうですね。担当者が商店街の方にお世話になったり、町家を紹介してもらったりと、すごく仲良くさせていただいています。

最近は一般社団法人 京都簡易宿所・民泊協会という団体に入会し、監事を務めさせていただいています。この団体は地場の不動産業の会員がほとんどですが、トマルバは京都の運営会社の代表としてお声がけをいただきました。地元の方にも少しずつ認めてもらってきているのかなと思います。

鬼頭いい関係を築きながら京都の街に浸透し、街づくりにも関わっていく姿が目に浮かびますね。地域へ直接貢献するような取り組みは、何かされているのですか。

山田町家の一棟貸しは素泊まりが基本です。そこで、宿泊以外の体験をご提供したくて、宿泊された方にはサプライズでYADORU GIFTというギフトカードをお渡ししています。このカードを近隣のお店に持っていくと朝食が無料で食べられるようになっています。もちろんランチやカフェ利用にも使えますし、銭湯やお土産屋で利用していただくこともできるようにしており、現在京都のお店50店舗以上と契約をしています。

この取り組みもあって、地域からは「売り上げにつながってうれしい」という声をいただけるようになりました。少しずつではありますが、地元のお店の魅力を伝え、売り上げにも繋がるような流れを作っていきたいと思います。

宿ルKYOTO鏡ノ宿
「宿ルKYOTO鏡ノ宿」は清水焼発祥の地である五条坂エリアに立地する築100年以上の京町家をリノベーションした一棟貸しの高級ゲストハウス

価値観に共感する投資

鬼頭京都では足場を固めつつあるようですが、今後のビジョンはいかがですか?

山田トマルバは「世界中の人々を幸せに、世界中の人々を笑顔に」というビジョンを掲げ、世界一の運営会社を目指しています。芦野ともずっと話をしてきたことですが、死ぬ気でホスピタリティを追い求めて事業を展開しているのがザ・リッツ・カールトン。国内では星野リゾートが凄いと思い、ベンチマークしています。従業員へのビジョンの浸透を含め、ホスピタリティの追求という点で、この2ブランドを超えるところはないと考えています。まずはこの2社に追いつき、いずれは超えることを目指し、最終的にはリッツ・カールトンを擁するマリオット・インターナショナルと戦える位置までいきたいという偉大な野望を抱いています。

鬼頭トマルバが考える「ホスピタリティ」って何でしょうか?

山田人を笑顔にさせること、感動させるということだと考えています。具体的にはパーソナルサービス、一人ひとりにフォーカスした究極のサービスとして提供されるべきものです。100人のお客様がいらっしゃったら、100通りのサービスのかたちがあります。「お客様」ではなく、「あなた」として目の前の方に向かい合い、サービスしていく。それが真のホスピタリティだと定義しています。

社内では、お客様を「WOW!」と驚かせる体験を提供する「WOW STORY」というものを決めていて、その月に最良のストーリーを作った社員を表彰しています。ハネムーンや記念日の旅行でいらっしゃったお客様にはシャンパンや花束を用意したり、部屋を飾り付けしたり、といったものは誰でも思いつくサービスです。そこから一歩進めてお客様に「WOW!」と驚いてもらうには、どうしたらいいか?ということを追求しているんです。

鬼頭興味深い取り組みですね。お客様に「WOW!」と驚いてもらったエピソードをぜひ聞いてみたいところです。

山田そうですね。お客様が鼻血を出され、Tシャツが汚れてしまったことがあったんです。そのシャツに「東京」とプリントされているのを見たスタッフは、「せっかくの記念品が汚れてしまった……だったら、『京都』とプリントされているTシャツをプレゼントしましょう!」と思いついたんです。

代表も含めて、京都を走り回って目当てのTシャツを探し出してプレゼントしたところ、感動の笑顔と「ありがとう!」という素晴らしい感謝の言葉をいただきました。

トマルバでは、お客様1組あたり3000円程度の費用を設定し、喜んでいただくためなら自由に使っていい、とスタッフに決裁権を渡しています。自分で考え、お客様のためになること、喜んでもらえることをやっていく。最高のホスピタリティに近づけるために、全員でサービスのあり方を考えていきます。

鬼頭自分たちのビジョン、目指すべき世界を伝えていくにはどうしたらいいか。クラウドリアルティも常に考えているので、同じスタートアップとして大いに共感するところです。最後に、クラウドリアルティで資金調達をしてみて感じたことを教えていただけますか。

鬼頭と対談する山田さん

山田クラウドリアルティのミートアップで投資家の方たちと直接話せたのは大きかったと思います。投資の話なので厳しい質問もいただきましたが、熱意を持って話しているうちにお金のこと以外の話、例えば採用はどうしているのか、社員にはどういう人がいるかなど、トマルバ自体に対して興味を持ってもらえました。

その結果、お金だけじゃない、京都や古い街、町家が好きだという価値観や私たちが目指す世界観に共感して出資していただけました。こうしたコミュニケーションが生まれるのは、クラウドリアルティならではの仕組みかなと思います。

鬼頭そうですね。クラウドリアルティでも今後はプラットフォーム上で双方向のコミュニケーションができる仕組みを作っていきたいと考えています。投資家の皆様もいろいろとお考えがあるのだということがわかりましたので。

トマルバの今後の展開に注目していきたいと思っています。本日はありがとうございました。


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