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専門家が語る、不動産クラウドファンディングの仕組みとは?

不動産クラウドファンディングという投資手法が向いている人とは?

クラウドリアルティが手がける「不動産クラウドファンディング」。実物不動産への投資という選択肢もある中、どのような人に向いている投資手法なのでしょうか。不動産クラウドファンディングに関わる事業ライセンスの取得や、空き家の店舗・宿泊施設への転用に際してのコンサルティング業務を行っている行政書士・石井くるみさんにお話を伺いました。
(インタビュアー:クラウドリアルティ編集部)

日本橋くるみ行政書士事務所代表 石井くるみ

Profile

日本橋くるみ行政書士事務所代表
石井くるみ

不動産ビジネスと金融を専門とする法務コンサルティングを提供する日本橋くるみ行政書士事務所代表。民泊・旅館業、不動産特定共同事業、金融商品取引業などを専門に許認可法務、講演・セミナーの実績多数。主な著書に「民泊のすべて」(大成出版社、2017年度日本不動産学会著作賞(実務部門)受賞)など。

日本橋くるみ行政書士事務所

目次

不動産クラウドファンディングとは?

不動産クラウドファンディングとはどういったものでしょうか?

「不動産、クラウドファンディング、そしてファンドの三つの要素にわけて考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

不動産はそのままなので説明は不要かと思いますが、クラウドファンディングとは『クラウド(群衆)』と『ファンディング(資金調達)』をあわせた造語で、インターネットなどを使って人々に呼びかけお金を集めること。ファンドとは、投資家からお金を集めて運用し、その成果を分配する仕組みのことです。

1階:保育スペース

まとめると、不動産クラウドファンディングというのは、不動産や不動産担保ローン*1を投資対象にしてつくられたファンドという意味で使われています。

*1 不動産担保ローン=持ち家や土地など、自身の持つ不動産を担保に入れて融資を受けるローンのこと。無担保ローンと比較すると、金利が低い、返済期間を長く設定できる、最大融資額が大きいといった特徴がある。

クラウドファンディング自体は寄付型、購入型、投資型の三パターンに大別できますが、不動産クラウドファンディングは基本的に金銭的リターンがある、三つ目の投資型としてつくられています。宿泊事業による古民家再生を例に取ると、クラウドファンディングの三パターンは次の図表のように整理されます。

図表1:クラウドファンディングの類型と法規制

類型対価対価の例法規制
寄付型なし特段なし特段なし
購入型商品、サービス宿泊施設の宿泊券特定商取引法
投資型有価証券(組合出資金)宿泊事業から得られる収益の分配を受ける権利金融商品取引法 · 不動産特定共同事業法など

出所:日本橋くるみ行政書士事務所作成

寄付型や購入型は、一人ひとりの出資額もそんなに大きくない。大前提として善意にもとづきお金を出しているので、見返りも求めない。そんなケースが多いです。

一方、投資型では出資額も大きく金銭的リターンもあり、個人投資家と事業者の間に情報の非対称性が生じるので、法規制の対象になっています。

【投資型クラウドファンディングについてはこちらをどうぞ】

「少額からできる不動産投資「投資型クラウドファンディング」とは?」

「不動産の証券化市場」のポテンシャル

なぜ近年、不動産クラウドファンディングに注目が集まるようになったのでしょうか?

「そもそもの傾向として、日本人は実物投資が好きです。不動産や金(きん)など、実際ある『モノ』への投資が根強い人気です。

ここ5年くらいは不動産価格が上昇していたこともあり、個人向けの不動産投資は大きなビジネスとなっていました。億単位の大きな借金をして実物不動産を保有する『メガ大家』などと言われる個人投資家も注目を集めました。

ですが、女性専用シェアハウスの販売・サブリースを手がける事業者の破綻や、それに関連しての金融機関の行政処分、アパートの施工・管理を行う事業者の融資資料改ざんなど不祥事が続き、最近は金融機関もアパートなどへの投資に関わる融資に消極的な姿勢になってきました。

こうした流れもあり、今後の個人投資家は、プロが運営・管理する不動産を対象とするファンド商品を購入するという“身の丈に合った”投資スタイルが主流になるのではないか。個人的にはこのように見ています。

実物の不動産を運用するのは手間と労力がかかるというのもあります。社会情勢によって不動産価値は変わりますし、建物のハード面の手入れや入居者の管理も必要です。それをいち個人が副業のようなかたちでうまくできるかというと、なかなか難しいケースも多いと感じますね。

そんな中、投資型の不動産クラウドファンディングが注目を浴びるようになってきたわけです。

国内の不動産投資市場は約2606兆円。そのうち、REIT(不動産投資信託)*2などで証券化されたものは約33兆円しかありません。つまり、不動産の証券化市場にはまだまだポテンシャルがある。そこで、REITや不動産クラウドファンディングにも注目が集まるようになってきました。

*2 REIT(不動産投資信託)= Real Estate Investment Trustの略。投資家から集めた資金を不動産に投資し、その賃料収入や売却益から、費用を差し引いた残りの収益を投資家に分配する。
出所:国土交通省第11回不動産投資市場政策懇談会(2019年8月2日)配布資料より

実物不動産を取得するとなると、一つの不動産に数千万円~数億円単位の大きな額を投資することになるのでリスクが集中してしまいますが、一口1万~5万円など少額から投資できる不動産クラウドファンディング商品は、リスク分散もできるのでポートフォリオ*3に組み入れやすいですし、今後の証券化の普及・市場拡大に期待を寄せています。」

*3 ポートフォリオ=株式、債券など運用対象として保有する金融資産の組み合わせ
【関連記事】

「実物不動産投資と不動産クラウドファンディングのリスクを比較」

「プロが語る、京都の不動産探しの難しさと不動産クラウドファンディングの魅力」

私自身、日々の業務で市場の拡大を実感しています。不動産会社が投資型クラウドファンディングで不動産運用を行うために必要なライセンス取得に関する相談が増加しています。1年前は2カ月に1件のペースでしたが、現在は月に10~15件寄せられています。

投資で得られる事業の知識・ノウハウ・人脈

どんな事業者が不動産クラウドファンディングを使って資金調達を行っているのでしょうか?

「『不動産クラウドファンディングで資金集めをしている』と聞くと『金融機関からの融資が下りないリスクが高い事業・物件なのでは』と不安に思う投資家もいるかもしれません。しかし、『リスクが高く投資に値しない』と一概には言えません。

投資対象として魅力があっても、単純に築年数が経っている、古くて建築物の証明書がそろっていないなどの理由で融資対象にならない、なるとしても十分な額の融資が下りない物件もあります。

特に最近では京町家など、味わいのある古民家や歴史的建造物を活用して事業を始めたいという相談も多く『この物件を活用して宿泊業や飲食業をしたら、事業としてうまくいくのにな』と感じるものも多くあります。

今までであれば、こうしたケースは融資も下りないので事業をあきらめざるを得ませんでした。ですが、不動産クラウドファンディングとして、インターネットを通じて個人からお金を集められるようになり、感度の高い個人からお金を集めて、先駆的・意欲的な事業に挑戦できる時代になりました。」

【クラウドリアルティの不動産クラウドファンディング事例について】

「京都壬生辻町 町家再生プロジェクト(東・西) 完成内覧会レポート」

「7,300万円の出資金を集めた飲食店2店舗が大阪にオープン」

最後に、不動産クラウドファンディングでの投資はどのような人に向いているのか教えてください。

「不動産や事業に対するリテラシーが高い、利回りだけを期待するのではなく、投資によって社会をよくしたい、面白い事業に関わりたいといった方々が投資している傾向にありますね。

先ほどお話しした『メガ大家』と呼ばれるような個人投資家たちは、自己資金は出さずに、フルローンやオーバーローンで実物不動産を購入して大きな収益を上げたり、高利回りを実現したりしていました。

不動産クラウドファンディングはこのような『めちゃくちゃ儲かる』ものではないんです。メガ大家の手法をハイリスク・ハイリターンとすると、不動産クラウドファンディングへの投資はミドルリスク・ミドルリターンなので、大きなリスクを取りながら経済的リターンを追及する人には向いていないのではないかと思います。

一方、不動産クラウドファンディングを活用する事業者の特徴として、投資家と一体になって事業を進めていこうという意識があります。投資家を招いて事業説明会をしたり、アイデア・コンセプトメイクについて投資家に意見を聞いたり、むしろ一緒に考えてみようと参画を呼びかけるプロジェクトが見受けられます。

そのため投資家にとっては、『投資』をすることによって事業を間近に見られる機会が多くあります。言い換えると、投資によって事業に対する知識やノウハウ、人脈が得られます

近年、働き方改革などで、一つの企業に定年まで勤めるという生き方だけでなく、転職をしたり副業を営んだり、いろんな軸を持って生きていこうという社会の流れになっています。シェアリングエコノミーの広がりに伴い、個人が起業しやすい風潮も出てきました。

民泊や飲食業など、個人が将来やってみたい事業に投資すると、事業のよい勉強の機会になると思います。

もちろん投資家は個人だけではありません。たとえば、京都の古民家再生のプロジェクトに、同じように古民家の活用を考えている金沢の不動産業者が投資してみる、なんてかたちもいいのではないでしょうか。」


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