有価証券報告書
ユウカショウケンホウコクショ / Annual Securities Report
有価証券報告書は、株式を上場させている企業や有価証券届出書を提出した企業などが、各事業終了3カ月以内に、内閣総理大臣(財務局・金融庁を通じて)および上場証券取引所に提出を原則義務付けられている法定書類のことを言います。
投資家保護の観点から金融商品取引法で規定されており、一般的には有報(ゆうほう)と呼ばれています。
内容は、企業の概況や事業内容のほかに、経営や財務情報、配当政策などが記載されており、投資家にとっての投資判断の材料になります。
閲覧は誰でも可能であり、その企業のHPまたは金融庁の運営するEDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)などで確認ができます。EDINETの場合、受理した日から5年を経過するまで閲覧が可能です。
有価証券報告書に虚偽記載があった場合は、金融商品取引法に基づき処罰の対象になります。また虚偽記載の重要性や悪質性などを見て、場合によっては上場廃止になるケースもあります。
例えば、2006年にはライブドアが有価証券報告書の虚偽記載により上場廃止になっています。一方2011年に発覚したオリンパスのケースでは、一時監理銘柄に指定されたものの、上場廃止は免れています。
有価証券報告書に似た書類としては「決算短信」がありますが、こちらは企業の決算内容をまとめたものを、決算後45日以内に証券取引所に提出するものになります。上場企業の実務上は、決算短信をもとに有価証券報告書を作成していきます。