証券取引において償還とは、債券や投資信託が満期を迎え、投資家にお金を返還することを言います。

債券は、償還時に額面金額が払い戻されるのが一般的ですが、株価や為替により償還価格が変動するものもあります。

債券の償還のタイミングは、満期の期日が決まっている「満期償還」の他に、償還期日の前に発行額の一部または全部を償還する「早期償還」があります。早期償還になる事由はその債券により異なり、発行企業が任意に早期に償還する可能性のタイプや、株価や為替などが設定された条件を満たすと早期償還するタイプなどが存在します。

投資信託では、償還日までその投資信託を保有していた場合、償還日の基準価格（償還価額）で換金されます。「満期償還」と「繰上償還」の2種類があり、満期償還は償還期日が目論見書に記載されており、その信託期間の終了に伴う償還です。満期償還を迎えたときでも、投資家にとって利益があると運用会社が判断した場合には信託期間を延長することができます。これを「償還延長」と言います。

繰上償還は、運用会社の判断により償還期日より前に償還されることを言います。償還事由は目論見書に記載されており、例えば、純資産額が一定の水準を下回った場合や、運用目的を達成した場合などの条件があります。

一般的に繰上償還を行う場合は、投資信託の保有者に事前に公告を行い、賛否を問わなければいけません。反対が3分の1を超えると繰上償還ができません。