サーキットブレーカー
サーキットブレーカー / circuit breaker
サーキットブレーカーとは、株式や先物の市場などで大きな価格変動があった際に、取引を一時的に中断させる措置を取引所が行う制度のことを言います。
きっかけは世界的な株価大暴落を引き起こした、1987年の「ブラックマンデー」です。投資家に冷静な判断の機会を作るために、ニューヨーク証券取引所が導入。その後、世界各国の取引所が導入しました。
サーキットブレーカーが発動される条件は、取引所によって異なりますが、金融危機や地政学的リスクが発生した際に発動されています。
日本では、東京証券取引所と大阪証券取引所の先物・オプション市場の取引が対象です。発動条件に該当した場合、取引が10分間中断します。
日本では、現物株式の市場は対象ではありませんが、その代わり「制限値幅」の制度があります。過度な値動きを抑制することを目的として、売買する価格の刻み幅を一定の範囲に限定しています。
過去の大きな事例には、アメリカ同時多発テロ(2001年)やリーマンショック(2008年)、東日本大震災(2011年)、ブレグジット(2016年)があります。2020年3月には、新型コロナウィルスの世界経済への影響を不安視して、世界各国でサーキットブレーカーによる取引停止が発動されました。
日本以外の証券取引所では、制限値幅を設けていないところも多く、その場合サーキットブレーカーの発動条件が細かく設定されています。