目論見書
モクロミショ / prospectus
目論見書とは、有価証券の売り出しや、募集の際の投資判断に必要な重要事項が記載されている資料のことです。証券会社などの金融商品取引業者は、投資家に対して前もって、または同時に交付することが法令で定められています。重要な事実の表示が記載されていなかった場合には、有価証券を取得したものに対し、発行者・販売会社は損害賠償責任を負うことになります。
対象となる取引は、株式の新規上場や売り出し、新規発行の債券、そして投資信託です。すでに市場で取引されている有価証券や、債券の中でも国債と地方債については目論見書が発行されません。
株式や債券の場合は、発行体の財務内容や発行条件、引受会社の情報の記載があります。発行条件などの内容が未確定のまま勧誘をする際には、仮の目論見書を交付します。正式に約定する場合には、最終的な条件が記載されている「訂正事項分」を交付しなければいけません。
投資信託には、2種類の目論見書があります。「交付目論見書」は購入時に交付が義務付けられており、「請求目論見書」は投資家から請求があったときに渡すものです。交付目論見書の項目は、すべての運用会社で統一されているので、比較検討しやすくなっており、項目は「ファンドの目的・特色」「投資のリスク」「運用実績」「手続・手数料等」の主に4つで構成されています。
投資信託の目論見書は、以前は項目もページ数も多く、投資家が内容を把握するのが難しくなっていたため、2009年の法令改正以降、目論見書は簡素化の傾向にあります。