工業地域
コウギョウチイキ
工業地域とは、「都市計画法」という法律に基づいて作成された、都市計画の中で指定される用途地域の1つです。都市計画法第9条12号で「主として工業の利便を増進するための地域」とされています。
※引用:都市計画法 第九条
工業地域では、工場や倉庫について制限なく建設可能です。火薬や石油類など危険物を多量に扱う工場も建てられます。
※参照:東京都都市整備局
※建設できる建物の詳細については、各自治体のホームページ等をご参照ください
工業地域に関する建ぺい率などの制限は以下のとおりです。
項目 | 制限内容 |
---|---|
建ぺい率 | 50%または60% |
容積率 | 100%・150%・200%・300%・400%のいずれか |
工業地域では、床面積10,000㎡を超える大規模店舗と映画館など遊戯施設のほか、学校や病院といった公共施設の建設が制限されています。
住宅と事務所等に関する制限がなく、大規模でなければ店舗も建設できるので利便性は高いです。
住宅等に関する制限がない点は、一見家を建てたい人にはメリットのように思えますが、危険物を多量に扱う工場も建設できるようになっているので、日照や通風、騒音、悪臭、道路の混雑などのリスクがあり、子育て世代向きではないエリアの可能性があります。
一方、職住近接を実現しやすいという見方をすれば、共働きで子どものいない世帯や一人暮らしの人などには住みやすい一面もあります。
もっとも、公共施設の建設に制限のないとされる「商業地域」と比較すると、一人暮らしの人などにとっても生活利便性は劣ります。また、工業地域は工業を増進するための地域と決められているため、都心部から少し離れたエリアに指定されているのが通常です。家を探す場合は交通の便についても見極めが必要になります。
通勤に電車を利用しない人や工場勤務の人などは、工業地域に絞って家を探してみると、住居費を抑制することができるでしょう。