完全失業率
カンゼンシツギョウリツ / overall unemployment rate
「完全失業率」とは、労働力人口の中に、どのくらい完全失業者がいるかを、割合で示したものです。
15歳以上の人口から、専業主婦や学生など労働能力はあっても労働の意思を持たない人や、病弱者や高齢者など労働能力を持たない人を引いたものが、労働力人口です。
完全失業者は以下の3つの条件を満たしている人のことを指します。
1.仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)
2.仕事があればすぐ就くことができる
3.調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)
完全失業率の数値が低いほど、雇用は安定しており、逆に数値が高いほど、就職を希望している人が、仕事に就けていない状況を表します。
総務省統計局は1947年より毎月「労働力調査」を実施、発表しており、ここで完全失業率を確認することができます。調査対象は、無作為に抽出された約4万世帯で、15歳以上の約10万人です。
調査開始以降、完全失業率が5%台と高かったのは、就職氷河期と呼ばれる2002年や2003年と、リーマンショック後の2009年、2010年です。
一方、高度経済成長期は雇用が安定しており、直近では2019年に26年ぶりの2.5%以下の低水準で推移していました。
日本の雇用情勢についての指標は、厚生労働省が発表する「有効求人倍率」がありますが、こちらの調査対象は事業所です。一般的に景気が良いと有効求人倍率は上がると言われます。
「完全失業率」も「有効求人倍率」も、景気を知るうえで注目される指標です。