不動産の証券化
フドウサンノショウケンカ
不動産の証券化とは、不動産を証券化するために設立された特別な会社などに売却し、その会社が取得した不動産のみを裏付け財産として資金調達することです。
狭い意味では資金調達のときに、株式や債券などの有価証券を発行する場合だけを指すこともあります。
しかし実際には、金融商品取引法上の「みなし有価証券」とされている不動産信託受益権・匿名組合出資を用いる場合や、不動産特定共同事業法を利用する場合でも、不動産投資専用のうつわを用意してその不動産が生み出すキャッシュフロー(現金および現金同等物)を償還の原資や投資家などへの配当にするときには、不動産証券化と言うようになっています。
証券化不動産は、主にJ-REITと私募ファンドに分けられます。J-REITの資産規模は、19.81兆円(2020年8月時点)と20兆円に迫る規模です。
また、私募ファンドの市場規模は、一般社団法人不動産証券化協会が実施した調査では、2018年12月末時点で13.15兆円でした。
つまり、J-REITと私募ファンドを合わせると、不動産の証券化市場は30兆円を超える規模になります。
ただ、日本の投資用不動産は100兆円、会社などの法人が保有する不動産は400兆円を超えているといわれているので、不動産証券化の市場が伸びる余地はまだあると考えられます。