2018年11月22日
「おおいた和牛プロジェクト」をスタートさせる株式会社インターナショナルサポート。同社は、なぜこのプロジェクトをスタートさせるのか? 同社代表取締役の松村匡章氏にお話を伺いました。
私たちインターナショナルサポートは、「焼肉ホルモン BUNGO」を大阪に出店することで、大分県の誇る豊後牛(ぶんごぎゅう)、そしてその豊後牛の中でも質の高い肉質4等級以上のものだけを選んだ「おおいた和牛」の認知度を上げ、価値向上に貢献したいと思い、プロジェクトを立ち上げました。
そもそも和牛を扱うにあたって、全国から選りすぐりのものを、自分たちの足を使って目で確かめて、自分たちの基準を満たすものを探していました。そこで出会ったのが、「おおいた和牛」です。
おおいた和牛は血統、品質ともに高い評価を受けている和牛ですが、その和牛を育てる大分県の畜産農家は減少傾向にあります。お客さまはできるだけ安くて美味しいものを食べたい。しかし、安く売るということは、畜産農家にお金が入らない。それによって畜産農家が減少すると、今度は牛の数が減り、値段が高騰してしまう。その結果、お客さまのニーズにあわなくなってしまう…。
この悪循環を変えるためには、大きく2つのポイントがあると思います。1つは和牛のブランド価値をしっかりと高めること。もう1つは、その和牛を少しでも安くお客さまに届ける方法を見つけること。
今回、私たちが「焼肉ホルモン BUNGO」を大阪に出店するのは、この2つのポイントをクリアするためです。大阪でおおいた和牛の認知度を向上させ、ブランド力を高め、美味しい和牛を食べたいと思っていただけることを目指します。
1つめのポイントであるブランドについてですが、実際に、私たちがおおいた和牛を扱い始めた5年前から比べてメディアにも取り上げられる機会が増え、少しずつですがおおいた和牛の価値が認められてきた実感があります。
さらに、日本中から旨いものが集まる物流と商業の中心地としてかつては「天下の台所」と称され、食にこだわりが強い方が多い大阪で「美味しい」となれば、それ自体がブランディングになります。
神戸ビーフや近江牛、松坂牛など、日本を代表する和牛と戦えるような最高級の和牛を提供するお店を目指します。
おおいた和牛の魅力は、なんと言っても霜降りの美しさ。その肉質は、風味豊かで、まろやかでとろけるような味わいが特徴です。
そして、私たちの店舗で特に訴求しているポイントは、「オレイン酸」が高い牛を提供していることです。オレイン酸は牛肉に含まれる脂肪成分で、これが多く含まれていると風味と口当たりが良いことから、"美味しさの決め手"と言われています。
これまでの牛肉の美味しさは「さし(霜降り度)」の評価で決められていましたが、科学的な裏付けのある"牛肉の美味しさ"を調査したところ、発見されたのが「オレイン酸」でした。他府県ではオレイン酸の計測をしていない中、大分県は一頭一頭計測し、美味しさの見える化を行っています。
私たちは、「一頭買い」にこだわっています。
飲食業界では一頭買いはあまり好まれていません。というのも、焼肉では使えるけどハンバーグでは使えないといったように箇所によって用途が変わります。そのため、一頭まるまる使うとなると販売先が必要になります。
そこで私たちは、「焼肉ホルモン BUNGO」「炭火とワイン」という2つのブランドを用いて、牛を余すことなく使うことにしました。例えば、「焼肉ホルモン BUNGO」で焼肉としては使えないものを「炭火とワイン」でハンバーグにしたり、レトルトカレーにしたりして提供しています。一頭買いをうまく活用することで、一般的な焼肉店では3,000〜4,000円するサーロインを「焼肉ホルモン BUNGO」では2,000円くらいでご提供しているのです。これが、先ほど申し上げた2つのポイントのうち、2つめの価値の高いものを少しでも安く提供することにつながります。しかも、安定した供給先が増えることは、畜産農家にとっても安心材料につながります。
最終的には東京などの首都圏への進出も考えています。今回出店する大阪店で、店づくり・業態づくり・ブランド作りを実施し、仕組みを整えた上で東京に出店していく予定です。全国のみなさんに、おおいた和牛の美味しさを味わってもらいたいです。
私たちは、畜産農家の経営を改善します。現在、経営者不足とそれにともなう需給のバランスの乱れによって畜産農家は苦境に陥っています。今後さらに経営者が少なくなれば、市場で出回る子牛の数も減少し、畜産農家は価格競争の波に飲み込まれてしまうでしょう。
今回のプロジェクトでは、「おおいた和牛」の認知度を高めブランドを向上させることで、「おおいた和牛」の価値の向上に貢献します。また、一頭買いにこだわることで余りなく牛を使い、価値のあるものをお手頃な価格でお客様に届け、双方WinWinの姿を目指します。
今回のプロジェクトでご出資をいただくみなさまには、ぜひ新店にも足を運んでいただき、おおいた和牛を味わっていただきたいと思っております。