お役立ち・トレンド
近年様々な少額からできる不動産投資方法が登場しています。
実物不動産投資では、最低でも数千万円~数億円の資金が必要だったところが、5万円前後から始められる手軽さが魅力の少額不動産投資。
しかし、それぞれの違いについてはわかりにくい面もあります。
そこで今回は、代表的な少額不動産投資であるJ-REIT(ジェイ・リート)と不動産投資型クラウドファンディングをご紹介するとともに、J-REITと比較した際の不動産投資型クラウドファンディングのメリット・デメリットについて解説します。
実物不動産は、数千万円~数億円のまとまった資金が必要になること、「買いたい時に買えない、売りたい時に売れない」という流動性の低さから、誰もが投資できる対象ではありませんでした。
しかし2000年以降、不動産でも5万円前後でできる投資方法が増えています。
その代表例が、J-REIT、そして不動産投資型クラウドファンディングです。
REIT(リート)とは、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称で、投資家から集めた資金で不動産を運用して得た賃料収入等を元に、投資家に分配する証券化商品です。
米国で1960年代に誕生し、1990年代に急速に拡大しました。日本においては、2000年11月「投資信託及び投資法人に関する法律」の改正により、2001年9月に市場が創設されました。仕組みがアメリカのREITと異なる点もあるため、J-REIT(ジェイ・リート)と言われています。
J-REITは、「投資法人」と呼ばれる会社のような形態をとり、株式会社でいうところの株式に当たる、「投資証券」を発行。J-REITに投資する投資家は、この投資証券を購入します。投資家から預かった資金をもとに、J-REITは不動産などに対して投資し、購入した物件の賃料収入や、物件の売買で得られた収益を投資家に分配します。
J-REITは解約に応じない「クローズドエンド型」という仕組みを用いており、基本的には中途解約することができませんが、証券取引所に上場しているので、市場で売買を行うことができます。つまり、J-REITは市場に上場することにより、流動性を確保しているのです。
J-REITの最初の銘柄が上場したのは2001年9月のことですが、当時の上場は2銘柄、時価総額は0.2兆円に過ぎませんでした。2018年5月末時点では59銘柄が上場し、時価総額は約12.3兆円まで拡大しています。
不動産投資型クラウドファンディングには、いくつかの形態がありますが、ここでは典型的な不動産特定共同事業法に則った仕組みを解説します。
投資家は、不動産事業を営む営業者に匿名組合契約に基づく出資を行い、営業者は、この資金を基に実物不動産を取得または賃貸をし、この不動産からの収益を投資家に分配するというものです。
不動産は株式等と同じように価格変動リスクを伴いますので、投資家のこのリスクを軽減する為に、優先・劣後構造を取っているものが多く見受けられます。つまり上記一般投資家出資分を優先出資とし、期中及び期末の不動産処分に係るリターンを優先的に優先出資者に分配することにより、優先出資者にはたとえ期末で不動産処分による損失が出た場合であっても、出来るだけ影響が及ばない様に配慮した仕組みです。
クラウドファンディングですから、インターネットを通じ広く一般投資家から資金を募ることが可能で、最低1万円からの投資を可能にしている業者もあります。
また、不動産特定共同事業法によらず、金融商品取引法の範囲内でファンドを組成し不動産からのリターンを可能な限り投資家に還元する仕組みもあり、クラウドリアルティはこちらの手法を採っています。
不動産投資型クラウドファンディングのJ-REITとの違いは、不動産ポートフォリオへの投資ではなく、投資対象にする不動産を自分で選べる点です。J-REITは投資家から集めた資金をあらかじめ開示した特定のアセットタイプの中で複数の不動産に投資しますが、投資対象はJ-REITの運用会社が決定します。
一方、不動産投資型クラウドファンディングでは、資金規模の観点からJ-REITがこれまで手掛けてこなかった古民家・空き家を宿泊施設等に改修した施設や保育園など個性的な案件にも投資可能です。多様なテーマ・目的を持つプロジェクトが存在するので、利回りだけでなく自分の価値観に基づいた投資先の選択ができます。
たとえば、クラウドリアルティの「本町五丁目 京町家再生プロジェクト」では、京町家を高級宿泊施設として再生し、5年間の運用で7%の利回りを目指します。
J-REITはいつでも市場で売買可能なので換金が容易ですが、不動産投資型クラウドファンディングでは途中解約や持分売却を認めている事業者は少なく、換金性は低くなります。ただし、J-REITは換金が容易と言っても、不動産の賃貸市場や売買市場、金利環境、経済情勢などの影響を受けて、J-REITが保有する物件の賃料収入が減ったり、保有物件そのものの価格が低下したりすることで、価格が変動する可能性がありますので注意が必要です。
また、不動産投資型クラウドファンディングでは、個別の不動産のリスクをフルに負うことになりますが、J-REITは複数不動産に分散投資されるので、個別不動産に関わるリスクは比較的軽減されると言えます。
今回は、少額からできる不動産投資として、J-REITと不動産投資型クラウドファンディングを紹介しました。
それぞれメリット・デメリットがありますが、不動産投資クラウドファンディングは実物不動産投資ほどまとまった資金が必要なく、REITと違って投資先物件が明確というのも大きな特長なので、実物投資同様に目に見える投資先に少額から投資を始めたい方向けの方法です。
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