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クラウドリアルティでは不動産投資はもちろん、様々な投資に関する情報を発信しています。ただ、記事を読む中で意味を混同してしまいがちな言葉がいくつかあるのではないでしょうか。ということで、元銀行員のライター・織瀬ゆりさんに言葉の意味をわかりやすく解説していただきました。
お金について話をするとき、「金利」や「利回り」、「利子」や「利息」といった言葉をよく耳にしますよね。
とはいえ、それぞれの違いをきちんと説明することができるかと聞かれると、不安を抱く人も多いのではないでしょうか。
どれも非常に似た言葉ですが、意味は個々に異なります。
そこで今回はそれぞれの言葉の意味について紹介したうえで、金利とセットでほぼ必ず登場するであろう「単利」と「複利」についてもまとめてみました。
ここではまず、
といった4つの単語について見ていきましょう。
それぞれの用語の違いや特徴について理解しておくと、お金への理解度が高まるだけでなく、新聞やニュースで取り上げられた際により深く理解することができるようになります。
いずれも頻出する単語ですので、この機会にぜひチェックしてみてくださいね。
「金利」とはお金を借りた側が、借りたお金に対して支払う金額の割合のことを指しています。
たとえば、100万円を1年間借りたBさんがAさんに対して103万円を返した場合、金利は3%になるでしょう。
金利が金額そのものを表すケースもありますが、多くの場合には元本に対して支払った金額の割合のことを表しています。
利回りとは、投資した一定の金額に対する利益の割合を1年あたりの数値に直して、算出されたものをいいます。
利回りは次のように計算することができます。
利回り=利益÷投資元本÷運用年数×100それぞれの用語の違いや特徴について理解しておくと、お金への理解度が高まるだけでなく、新聞やニュースで取り上げられた際により深く理解することができるようになります。
いずれも頻出する単語ですので、この機会にぜひチェックしてみてくださいね。
たとえば100万円の金融商品を5年間運用した結果、50万円の利益を得ることができた場合の利回りは次のように求めることができるでしょう。
利益50万円÷投資元本100万円÷5年×100=10%
利回りは主に、売却益や分配金といった利益のある投資信託などで用いられることが多い用語となっています。
利子とは、お金を借りた人がお金を返済する際に借りたお金に追加して払うお金のことを指します。
つまり、お金を借りたときの借り賃、いわば手数料のようなものだといえるでしょう。
対する利息とは、お金を貸した人が受け取るお金のことを指します。
AさんとBさんの間で金銭貸借があり、仮にAさんがBさんに50万円を貸したとしましょう。
この金銭貸借で生じる「利子」と「利息」はいずれも同じ金額となりますが、お金を貸したAさんが受け取る場合は「利息」、お金を借りたBさんが支払うときは「利子」と呼びます。
「利子」と「利息」の使い分けについて厳密なルールが定められているわけではありませんが、法律で用いられる場合には上記のように区別されたうえで用いられます。
主に金融商品で「金利」の話をするとき、ほぼ必ずと言っていいほど登場するのが「単利」と「複利」です。
金利とだけ聞くと、なんだかすぐに金額をイメージしてしまいますが、実際は単利か複利かでその金額が大きく変わってきます。
そこでここでは、「単利」と「複利」の違いや特徴について、まとめてみました。
単利とはあなたが金融機関に預けた金額、つまり元本に対してのみ利息がつくことを指します。
例えば100万円を金融機関に預けて年利が10%の場合、1年間の利息は10万円になりますよね。(総額110万円)
2年目も1年目と同じく、100万円をもとに計算することから利息は10万円となり、2年間での利息分は合計20万円、元本を含めた総額は120万円になります。
単利に対し、複利とは利息にまた利息が追加されていくことを指します。
上記の例でいえば元本100万円を年利10%で1年間預けた場合、翌年の預金は110万円でしたよね。
複利の場合、2年目の利息の元本は「100万円+10万円」の110万円となり、2年目の利息は11万円と1年目に比べて微増します。
長期的に見れば、どんどん利息が増えていきますので必然的に単利よりもお得な計算となるでしょう。
単利と複利、それぞれで運用した場合の違いを簡単に載せてみました。
ex)元本100万円を年利5%で20年間預け入れた場合
単利:元本100万円+利息100万円=200万円
複利:元本100万円+利息 約165万円=265万円
上図からもわかるように、複利は運用年数に伴ってどんどん金額が増えていきます。
以前、別稿でお伝えした「つみたてNISA」などはこの複利運用の代表的な例であり、少額からでもよいのでコツコツ毎年積み立てていくことがなにより大切です。
複利で運用することができる金融商品として「積立預金」や「外貨建MMF」、そして定期預金の「元利自動継続」といった手法を利用することが挙げられます。
もし投資信託を長期にわたって運用しようと考えている場合、複利の恩恵を最大限活かすためには「再投資型」の投資信託を選ぶとよいでしょう。
積立投資を扱う投資信託には「分配型」と「再投資型」といった2つの種類があり、「分配型」は運用によって得た運用益の分配金が毎月支払われます。
対する「再投資型」は投資信託で得られた運用益を受け取ることなく、そのまま再度投資へと回します。
分配型のが毎月利益が得られて嬉しく感じるかもしれませんが、先ほどの複利効果を最大限に活かそうと考えている場合には適さない投資方法だといえるでしょう。
再投資型であれば購入した投資信託の代金に加え、運用によって得た利益を上乗せすることができ、結果として元本が増加します。
そのため、投資信託を長期にわたってコツコツ運用しようと思っている場合にはぜひ、「再投資型」の商品をチェックしてみてください。
【参考】初心者が投資で成功するにはコツコツ長期の積立投資がおすすめ
ここまで複利のメリットに着目してお伝えしてきましたが、複利にも次の注意点が存在します。
複利は運用益を含めて運用し続けることではじめて、効果を得ることができます。
ですから増えた分を引き出してしまうと、それはもはや単利で運用していることと同じ扱いとなってしまい、複利の効果を得ることができません。
複利で運用することはある意味、長期的に資産に手が付けられないことにも繋がりますので、余裕資金の範囲内で運用を行うことが大切です。
また、複利効果は一般的にプラスで運用されることをベースに想定されています。
とはいえ、運用においてリスクはつきものです。
そのためずっとプラスを維持し続ける保証はなく、場合によってはマイナスとなってしまうこともあるでしょう。
場合によっては元本割れしてしまう恐れがあることを、購入する前の時点で念頭に置いておくようにしましょう。
今回は混同しやすい単語をはじめ、「金利」とセットで耳にする機会が多い「単利」と「複利」についてもご紹介しました。
冒頭でも述べましたが、それぞれの違いを理解しておくだけで今まで難しく感じていた話を身近なものとして捉えることができるようになるかもしれません。
この記事が理解を深めるための一助となっていたら、幸いです。
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フリーライター
織瀬ゆり
某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。
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