お役立ち・トレンド
お手頃にバランスの良い投資を行うことが可能なインデックスファンド。今回は金融ライターの山下耕太郎さんに、インデックスファンドの基本からおすすめのファンドまで広くご解説いただきました。
インデックスファンドの人気が高まっています。
日経平均株価など指数(インデックス)に連動するので値動きがわかりやすく、運用コストである信託報酬も安いなどのメリットがあるからです。この記事ではインデックスファンドの特徴や、銘柄の選び方について解説します。
インデックスファンドの特徴について解説します。
インデックスファンドとは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数(インデックス)に連動することを目指して運用する投資信託です。
一方のアクティブファンドとは、指数よりも値上がりするよう、積極的に運用する投資信託です。
インデックスファンドは、アクティブファンドのように個別銘柄を選択する必要はなく、あくまでも指数に連動した運用を目指すことから、「パッシブ(受動的)ファンド」とも呼ばれています。ベンチマーク(指標)になる指数には、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数だけでなく、不動産や債券、商品(コモディティ)などもあります。
インデックスファンドは、個別銘柄を選ぶためにファンドマネージャーなどの運用担当者が大量の情報を集める必要はありません。そして銘柄入れ替えなどの頻度も高くないので、アクティブファンドと比べ、信託報酬などの運用コストが安くなる傾向にあります。
また日経平均株価などの株価指数は、テレビのニュースなどで目にする機会が多いので値動きがわかりやすく、株式市場全体に幅広く分散投資できるというメリットがあります。
ただ、インデックスファンドの良し悪しは値上がり益ではなく、ベンチマークとなる指数にどれだけ連動しているかで決まります。対象となる指数を大きく上回ったり下回ったりといった動きをしているようなら、目標通りの運用がされていないと判断されるのです。
投資信託での運用は10年、20年と長期で考えなければいけないので、さまざまなリスクを考え、着実に資産が増えるようなインデックスファンドを選ぶ必要があります。長期投資でインデックスファンドを選ぶ際のポイントは、主に次の2つです。
インデックスファンドは指数に連動する投資信託なので、値動きがわかりやすいというメリットはありますが、元本が保証されているわけではありません。日経平均株価などの指数が下落すればマイナスになる可能性もあり、運用結果がどうなるかわからないのです。
しかしコストは必ずかかる費用なので、きちんとチェックするようにしましょう。
同じ運用成果であれば、コストを抑えた方が実質的なリターンは高くなるからです。インデックスファンドは購入時の手数料がかからない「ノーロードファンド」が多いので、運用コストである「信託報酬」をチェックするようにします。
信託報酬とは、インデックスファンドの運用や管理のために支払う費用で、純資産総額の0.1~1%程度かかります。ただ、アクティブファンドでは2%程度かかるファンドもあり、インデックスファンドは信託報酬が安い傾向にあるのです。信託報酬は、運用益から必ず引かれるコストであるため、同じ運用利回りなら信託報酬の安いファンドを選んだ方が有利になります。
純資産総額とは、投資家から集めた資金の総額にファンドの運用成果を加え、コストなどの負債を差し引いた金額です。
ファンドの運用実績や分配金によって増減します。純資産総額が順調に増えているファンドは、それだけ人気があり利益も順調にだしていることを示す指標になります。
また、純資産総額が大きければ、ファンドが解散する可能性も低くなります。そして、純資産総額が大きくなるにつれて信託報酬が下がるファンドもあるなど、純資産総額が大きなファンドにはさまざまなメリットが期待できます。
つみたてNISA とは、2018年1月からはじまった少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。投資信託の運用益(譲渡益や分配金)に対して税金がかかりません。
新規投資額は毎年40万円が上限で、非課税投資枠は20年間(最大800万円)となっています。手数料が低く、分配金が頻繁にだされないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託とETF(上場投資信託)に銘柄は限られています。ですから、投資初心者をはじめ、幅広い年代の人にとって利用しやすい仕組みといえるでしょう。
つみたてNISAは、主にインデックスファンドが対象なので、つみたてNISAを利用してインデックスファンドへの投資を行うようにしましょう。つみたてNISA の概要は、以下の通りです。
投資可能期間 | 2018年~2037年 |
非課税期間 | 最長20年間 |
年間投資上限額 | 40万円 |
累計非課税投資上限額 | 800万円 |
投資対象 | 条件を満たした投資信託・ETF |
投資方法 | 積立投資 |
資産の引き出し | いつでも可能 |
インデックスファンドの対象には、株式だけではなく債券や不動産などさまざまな指数があります。ただ、インデックスファンドで投資する場合は、株式で全世界に幅広く分散投資できるファンドをメインにしましょう。
インデックスファンドの中には、日本だけ、アメリカだけといった特定の国や地域を対象に投資するファンドがあります。そのような投資信託だと、その国の政治や経済情勢に依存してしまい、投資信託の基準価額にも大きな影響を与えます。
しかし一つの国だけでなく、全世界の国に分散投資しておけば、値下がりリスクを分散し、安定した運用が期待できるのです。また過去の運用実績を考えると、株式のパフォーマンスが一番いいので、株式を中心としたポートフォリオを組むことをおすすめします。
それでは、おすすめのインデックスファンドを3つ紹介します(数値は2020年8月現在)。
全世界の株式市場の動きを捉えることを目指し、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目標として運用を行うインデックスファンド。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、全世界株式(時価総額加重平均型)のインデックスです。日本を含むアメリカなどの先進国から、新興国の南アフリカやインドなど全世界の株式市場の大型株から小型株まで含んでいます。構成銘柄は約7,400銘柄となっており、全世界の株式時価総額の約98%をカバーしています。
日本を含む先進国および新興国の株式に投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用されるインデックスファンド。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは、グローバル投資の際のベンチマークとして有名なインデックスで、投資対象は先進国、新興国など約70カ国。各市場の時価総額上位約85%をカバーする広範なインデックスです。
全世界の株式市場の動きを捉えることを目指し、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。SBI・全世界株式インデックスファンドと同じベンチマークですが、純資産総額が大きいという特徴があります。
インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数への連動を目指して運用する投資信託です。アクティブファンドよりもコストである信託報酬が安く、値動きがわかりやすいという特徴があります。
インデックスファンドは指数に連動した運用成果を目指すので、銘柄による運用成績の差はほとんどありません。ですから、信託報酬が低く、純資産総額が大きいファンドを選ぶようにしましょう。
投資信託については、以下の記事も参考にしてください。
【投資初心者必見】NISAや積立投資といった、まず知っておくべき情報配信中!
その他の記事はこちらから