お役立ち・トレンド
Crowd Realty(クラウドリアルティ)は、不動産に特化した投資型クラウドファンディングのマーケットプレイスです。「J-REIT」と「不動産投資型クラウドファンディング」はしばしば比較して解説されますが、どういった点にそれぞれの特徴があるのか。元大手不動産会社勤務のライター・亀梨奈美さんにご解説いただきました。
J-REITとは、投資家から集めた資金で不動産投資を行う「不動産投資信託」の一つです。
そもそも「REIT(Real Estate Investment Trust)」は、アメリカ生まれ。J-REITは、日本版の「REIT」。つまり、“日本版の不動産投資信託”となります。
J-REITは証券取引所に上場されているため、株式のように取引可能です。
J-REITの仕組みは、そう難しいものではありません。
投資家は、J-REITを通して複数の不動産に投資します。実物不動産投資のように数千万、数億円の資金は不要で、少額投資が可能です。実際に運用するのはプロの投資法人ですので、投資家は管理や経営の手間がなく、成果のみがリターンされます。
J-REITでは、主に不動産の賃料収入を原資として投資家に分配しています。投資法人は得た利益の90%超を投資家に分配するなど一定条件を満たすことで実質的に法人税がかからないため、高い配当が期待できるといえるでしょう。
2020年9月時点で「62」の銘柄が上場しているJ-REITですが、分配金利回りが高い銘柄では「6%」を超えています。
(出典:一般社団法人不動産証券化協会)
上記グラフは、「J-REITの平均予想分配金利回り」「長期金利(10年国債)利回り」「東証1部株式配当利回り」「スプレッド(J-REIT分配金利回りと長期金利の差)」の推移を表したものです。
青線のJ-REITの水準が、他より高いことがわかります。直近の利回り平均でも、J-REITは4%を超えていますね。いずれの指標も、新型コロナウイルスの影響で大きく水準を下げたのちに回復していますが、J-REITの上昇幅はもっとも大きくなっています。
昨今、J-REIT価格が上昇基調にあるのは、オフィス市場への過剰な懸念が薄らいだことや投資法人の合併の報道などが要因としてあげられるでしょう。
ただし、経済状況の回復を見越して短期的に売却益狙いの投資家も多いことが推測されるため、今後、反動的に下降基調に転じることも懸念されます。
J-REITは、主にマンションやオフィスビル、ホテル、商業施設などの「賃料」を原資としています。
住宅は衣食住の一つであり、商業やオフィスは暮らしとに密接に関わるものでもあるため、基本的には安定性が高い投資だといわれています。
しかし、コロナの影響によりオフィスやホテルの需要が急激に下がったことで、コロナ禍では株式以上に指数を落としたこともまた事実です。
ただ先述の通り、反発の幅も株式以上に大きく、金融緩和や今後も経済状況が回復していくことを考えれば、今後ますますの上昇基調が見込める可能性もあるでしょう。
J-REITは、複数の不動産に対して投資している投資法人に対して投資するものです。上場している銘柄は現在「62」。初心者の方はとくに、投資先に悩んでしまうのではないでしょうか?
投資法人は、住宅をメインの投資先にしている会社やオフィス、ホテル、商業施設をメインにしている会社など傾向が分かれます。「安定を求めて住宅系に」「今後のインバウンド需要回復を見越してホテル系を」……など、得られるリターンや安定性から銘柄を選んだり、少し難しいですが、物件の資産価値(純資産額)に対する投資口価格の割合である「NAV倍率」を見て選んだり。
J-REITにはさまざまな選び方があるわけですが、「なにをどうやって選べばいいかわからない!」という初心者の方は「ETF」もおすすめです。
J-REITの仕組み自体が複数の不動産に対する投資であるため分散投資できますが、「ETF」は複数のJ-REIT銘柄を組み合わせた商品です。
複数の不動産に投資している複数の銘柄に対して投資する……というと分かりやすいでしょうか。複数の不動産に分散して投資しているJ-REITを、さらに分散して投資できるのがETFです。
ETFは、投資家とJ-REITの間に入るイメージです。投資家に代わって銘柄を選択してくれるため、投資家は一つひとつ銘柄を選ぶ必要はありません。東証REITに連動した値動きのETFを購入すれば、「市場全体に対して投資する」といった効果も得られます。
ETFも昨今どんどん銘柄が増えており、2020年8月時点の銘柄は「15」。ここからまた選択しなければなりませんが、「安定」と「選びやすさ」を求める方にはJ-REIT ETFが適していると考えられます。J-REIT ETFは取引所に上場していますので、売買も容易です。
J-REITの購入方法は、株式とほぼ同じです。
買い方は大きく分けて二つ。
一つは、個別で銘柄を選んで購入していく方法。
そしてもう一つは、J-REIT投資信託を購入する方法です。
先ほど解説した「ETF」はJ-REIT投資信託の一つですが、東証REIT指数との連動性を重視しているため「上場投資信託」などといわれることもあります。
J-REIT投資信託の中には、証券会社や投資法人が独自で組み合わせた「J-REITファンド」というものもあります。
まとめますと、J-REITの買い方は以下の通りです。
いずれも少額投資が可能ですが、「J-REITファンド」は数百円、数千円からの購入が可能なため、積み立て投資にも適しているといえます。
J-REITの個別銘柄とJ-REIT ETFは、証券会社を通して売買します。
証券会社の口座をお持ちでない方は、まず口座開設が必要です。
口座にお金さえあれば、ネットで売買ができます。
ただし、株式と同様に、市場が開いている時間にしか売買はできません。J-REITが取引できるのは、平日の9:00~11:30・12:30~15:00のみですのでご注意ください。
一方で、J-REITファンドの売買方法は投資ファンドによって異なります。NISAなど積み立て型の投資先の一つとして購入することも可能ですので、J-REITファンドを扱う金融機関や投資法人に問い合わせてみましょう。
市場で取引し、現物の資産を持たないJ-REITへの投資は、株式投資と近いといえるでしょう。しかし、J-REITと株式は、主に「インカムゲイン」狙いか「キャピタルゲイン」狙いかという点が大きく異なります。
投資で得られる利益は、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」に分かれます。インカムゲインは資産を保有している間に得られる利益のことで、キャピタルゲインは資産を売却したときの売却益です。
J-REITと株式投資、いずれもインカムゲイン・キャピタルゲインの両方が見込めますが、株式投資はキャピタルゲイン狙いの傾向が強い投資だといえます。
日本証券業協会の2020年10月21日のレポートによれば、株式を保有している人の6割以上が配当金よりも売却益重視の考え方を持っているようです。
一方で、J-REITも投資口を売却することでキャピタルゲインが見込めますが、基本的にはインカムゲイン重視の分配型の投資商品だといえるでしょう。先述の通り、2020年9月時点のJ-REIT分配金利回りは「4%超」。株式の「2.35%」と比較して高く、原資が賃料収入ということから安定性もあるため、配当金を得ることを目的に投資する方が多いものです。
ではここからは、「J-REIT」と「不動産クラウドファンディング」の違いを紐解いていきましょう。
J-REITも不動産クラウドファンディングも、「少額不動産投資」の一つ。いずれも数万円、商品によっては数千円からの投資が可能ですが、“投資の仕組み”が異なります。
不動産クラウドファンディングとは、実物不動産ではなく「証券化」したものに対し、クラウド=「群衆」から、ファンディングする=「資金を募る」という新しい投資モデルです。
クラウドリアルティには「投資型ですか?融資型ですか?」という質問が多く寄せられるそうですが、融資した子会社が投資をするため「融資型」に分類されます。ただし、実態としては子会社が行う不動産を活用した事業の成果によって投資家へのリターンが変わる仕組みであるため、現状クラウドファンディングの分類で言えば、「投資型」に近いクラウドファンディングと言えるでしょう。
融資型というと、「ソーシャルレンディング」を思い浮かべる方も多いでしょう。ソーシャルレンディングとは、第三者に融資して固定金利と元本の返済を受け、これを投資家に還元する仕組みです。しかし基本的に、クラウドリアルティはソーシャルレンディングとは異なります。
基本的にクラウドリアルティの仕組みは、不動産事業を行う子会社の収益をできるだけ投資家に還元するというもの。ソーシャルレンディングのように返済期限のあるデット投資ではなく、エクイティ投資です。そのため、投資リターンは利息制限法の上限金利にとらわれることはありませんので、事業がうまくいけば多額の分配が可能となります。
不動産クラウドファンディングの多くは、投資先が開示されています。
クラウドリアルティでも、不動産の所在のみならず、プロジェクト概要や起案者の想いなど多くの情報を開示しています。
また、投資家は出資するのみならず、あらゆる面で投資先をサポートし、リターン以外の還元が受けられることもクラウドリアルティのメリットだといえるでしょう。たとえば、クラウドリアルティで出資を募った「京町家1号ファンド」では、投資対象の宿泊施設に出資者が宿泊利用したり、それをSNSなどで拡散して施設の知名度を高めたり。「投資」以上の可能性や楽しみがあるのが、不動産クラウドファンディングの魅力の一つです。
不動産クラウドファンディングとJ-REITの「共通点」も見ていきましょう。
不動産クラウドファンディングもJ-REITも、数万円から投資が可能です。J-REITファンドなら、月々数千円からの積み立て投資もできます。
実物の不動産ではなく、不動産を証券化したものに投資するという点は両者同じです。
しかし、投資対象が「複数の不動産」なのか、「一つの不動産」なのかという点で異なります。その他の違いもあるものの、クラウドリアルティの不動産クラウドファンディングは基本的に「J-REITの物件一つ版」と考えるとわかりやすいかもしれません。
どんな投資にも、リスクは伴います。不動産クラウドファンディングもJ-REITも、「元本割れ」のリスクがあることは共通です。
いずれも実物不動産を持たないとはいえ、不動産が生み出す収益から投資家にリターンされます。
たとえば、自然災害によって投資対象の不動産が倒壊・損傷したり、出資先が倒産したりするリスクがないとは言えません。
最後に、J-REITと不動産クラウドファンディングの「違い」を、不動産クラウドファンディングの魅力から考察していきます。
J-REITの原資は主に賃貸収入=インカムゲインですが、投資口を売却することで売却益=キャピタルゲインも見込める可能性があります。
投資対象不動産の売却によるキャピタルゲインも配当の原資となりますが、あくまで投資法人は安定的な運用のために不動産を売買します。
またJ-REITが持つ不動産は複数棟に及びますので、不動産の売却益によって投資家への分配金が大きく跳ね上がるようなことはあまりないと考えられます。
一方で、クラウドリアルティの不動産クラウドファンディングは、原則一つのプロジェクトで一つの不動産に対して出資します。基本的に事業の成果によってリターンが変わってきますが、プロジェクトによっては投資対象不動産の売却益からの配当も見込めます。
不動産クラウドファンディングの利回りはプロジェクトによって異なりますが、クラウドリアルティの直近10のプロジェクトの想定利回りの平均値は「5.95%」。
J-REITに引けを取らない利回りに期待できますが、リターンはそれだけではありません。
たとえば、投資対象がコワーキングオフィスである「KIW 宮崎プロジェクト」では、出資金額によってANAの旅行券や、KIW直営のワークプレイスで利用できるドロップイン券などが特典として付与されています。
自分が住むエリアやよく行くエリア、共感できる事業や自身の事業と関連性のある事業などに投資すれば、リターン以上の還元を受けることも可能なのです。
特定の不動産事業に対して出資する不動産クラウドファンディングは、実物不動産や株式、J-REITなど金利水準や市況による影響を受ける投資商品より変動幅が小さいといえます。運用期間も短期なのでリスクが低いですが、運用がうまくいけば高配当にも期待できます。
J-REITは、住宅やオフィス、商業施設などの不動産が主な投資対象です。不動産クラウドファンディングも不動産に対する出資である点は変わりありませんが、単に「資産」に対して出資するのではなく、成長を見込んだ「プロジェクト」に対する出資という点で大きく異なります。
クラウドリアルティのプロジェクトは、空き家再生や再生可能エネルギーの普及、待機児童問題解消など「社会貢献」の視点が含まれているものが多いので、出資後の投資先の成長や発展も楽しみの一つになるでしょう。
J-REITは、株式やその他の不動産少額投資と近い性質をもった投資方法です。しかし、投資先やリターンの仕組みにおいて大きな違いがあります。投資方法は数ありますが、期間や出資額、そしてご自身の意向によって合う・合わないがわかれるものです。
・少額から投資したい
・できる限りリスクを避けたい
・「リターン」以外の楽しみも欲しい
・でもやはり利回りにはこだわりたい
このように考える方は、新しい投資方法である「不動産クラウドファンディング」も一つの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
◇◇◇
不動産に特化した投資型クラウドファンディングのマーケットプレイス・クラウドリアルティへの会員登録は無料で行えます。まず登録して、どのようなプロジェクトがあるチェック!
【投資初心者必見】NISAや積立投資といった、まず知っておくべき情報配信中!
その他の記事はこちらから