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投資で保育園とつながる、新たな時代の関係性のつくり方

「つながりシェア保育園」が、あえてクラウドファンディングで資金調達をする理由とは?

2021年2月17日(水)より募集を開始した「シェア保育園プロジェクト#002(目黒区駒場分室)」。これは、2017年のプロジェクト「渋谷区上原シェア保育園」で開園した「つながりシェア保育園・代々木上原」(以下、シェア保育園)の分室を新たにつくるプロジェクトです。なぜ今回も「つながり」や「シェア」といった考え方を重視し、クラウドファンディングで資金を募るのか。シェア保育園の現状は——。運営する学校法人正和学園の齋藤祐善理事長と、シェア保育園の佐藤喜美子施設長にお話を伺いました。

入園希望者増に対応するため、分室新設を決意

——前回のプロジェクトで資金調達し、2019年に開園したシェア保育園の現状はいかがですか。

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齋藤祐善理事長(以下、齋藤):前回プロジェクトは2020年に償還も終え、運営も順調です。現在27名の園児がいるのですが、ありがたいことにこのコロナ下にもかかわらず入園希望のお申し込みも多数いただいており、このままですと多数のお断りをしなければならない状況にあります。そこで、今回のプロジェクトで資金を募り、分室をつくることとしました。

——分室をつくることで、何名程度の園児さんを受け入れられるようになるのでしょうか。

齋藤:受け入れる園児の年齢によっても法定面積が変わってしまうのですが、最大19名受け入れが可能になります。代々木上原と合わせて最大50名受け入れ可能な体制になる予定です。

再びクラウドファンディングでの資金調達を決めたわけ

——正和学園の財務状況を見ると、自己資金や金融機関からの借入という選択肢もあったのではないかと思います。あえてクラウドファンディングで資金調達する理由を教えてください。

齋藤:前回プロジェクトでは、出資者の方々などにご参加いただき、保育園の2、3階にあるシェアハウスの本棚をDIYで一緒につくったり、内覧会で園児の食べているスープを食べてもらったりしました。

また、開所式ではトークセッションも行い、出資者の方々と交流する機会もありました。

こうした経験も踏まえ、今回も「みんなで創るシェア保育園」をコンセプトにしています。

このコンセプトを実現するには、自己資金や銀行などからの借入ではなく、クラウドファンディングが最適だと考えました。出資してくださる方々と、「子育て拠点が社会に必要だと思う人と、子育て課題を解決したい人が結びつくコミュニティ」を一緒につくっていきたいと思っています。

地域との「つながり」を大事にした園づくり

——地域や出資者の方々とのつながりをとても大切にしていることがよくわかりました。現状、地域と園児の交流はありますか。

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佐藤喜美子施設長:近くにお花屋さんがあるんですが、そこにみんなで行って誕生月の子に贈るお花を買っています。「○○ちゃんには黄色がいいね」なんて言い合いながら。そうして交流が生まれたので、前を通る際にお花屋さんが手を振ってくださったり。先日はお茶屋さんにほうじ茶も買いに行きました。地域でのお買い物を通じて、交流を広げていっているところです。

あと、園では食育に力を入れているんですが、近所の八百屋さん、お肉屋さん、お米屋さんが園児27名という少量にもかかわらず、給食用の食材を丁寧に届けてくださるんです。そうしたところからも地域とのつながりが生まれています。

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保育業界の発展にもつながる、プロジェクトの成功

——「つながりシェア保育園」の名のとおり、つながりが生まれて分室が誕生することになったんですね。クラウドファンディングで資金調達をして保育園をつくるというのはまだまだ珍しい試みです。保育業界にどのような影響があるとお考えでしょうか。

齋藤:前回プロジェクトの後、投資型クラウドファンディングで保育園をつくるというのは日本初の試みだったので本当に多くの方が見学にいらしたり、取材をしてくださいました。保育の世界でも、もっとこういう資金調達の仕方があると知られ、後に続くところが出てくればと思っています。

そのためにも、前回プロジェクト同様、今回もプロジェクトを成立させる必要があると考えています。ぜひとも皆様、お力添えください。

【プロフィール】

学校法人正和学園 理事長 齋藤祐善氏(YUZEN SAITO)

1973年生まれ。ITベンチャー、保育園副園長、町田市議などを経て学校法人正和学園理事長に就任。「新たな時代の保育」を求めて模索しつつ、仲間を募集中。

 学校法人正和学園:https://seiwagakuen.ed.jp/

つながりシェア保育園・代々木上原 施設長 佐藤喜美子氏(KIMIKO SATO)

保育士、介護福祉士、ケアマネージャー、社会福祉士の資格を保有。幼稚園教諭をはじめ、地方議員、ケアマネージャー、社会福祉協議会ではコミュニティワーカーとしても活躍。2018年、学校法人正和学園に入職。現在はつながりシェア保育園・代々木上原の施設長として、日々園児たちの成長を見守っている。

 つながりシェア保育園・代々木上原:https://seiwagakuen.ed.jp/tyo/


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