起案者ストーリー
「作りたかったのはコミュニティづくりとしての保育園。投資をしていただいた方も大きな家族の一員だと思っています」
そう話すのはプロジェクトの起案者である学校法人正和学園理事長の齋藤祐善さん。保育園とシェアハウスが融合した「つながりシェア保育園・よよぎうえはら」は2017年8月クラウドリアルティで1億7,400万円の出資を集め、2019年4月1日正式に開園を迎えました。前編では、齋藤さんのインタビューを交えながら、開園に先駆けて3月16日に開催されたプレオープンイベントの様子をお届けします。
当プロジェクトは、不動産に特化した投資型クラウドファンディング「クラウドリアルティ」を活用して、企業主導型保育事業用の土地取得のための資金調達を行いました。対象とする物件は、渋谷区上原地区に所在しており、渋谷区内では最も待機児童人数が多い地区(2014年12月1日時点)になります。保育施設の運営は、幼稚園や保育園を中心に、複数の施設運営の実績を有する正和学園が担います。保育事業については、企業主導型保育事業制度を活用し、提携企業社員の子どもが優先的に入所できる仕組みになっております。地域枠も設け、近隣の待機児童解消にも貢献します。
プレスリリース学校法人正和学園 理事長
齋藤祐善 Saito Yuzen
1973年生まれ。ITベンチャー、保育園副園長、町田市議などを経て現在、学校法人 正和学園理事長。「新たな時代の保育」を求めて模索しつつ、仲間を募集中。
このプロジェクトは「クラウドファンディングで保育園が作れる!」と子育て中のご家族、近隣住民、関係企業や個人投資家などから多くの共感を集め、わずか10日で目標金額を達成しました。しかし、出資が集まってから開園までの道のりはそう簡単ではなかったそうです。「保育園」と「賃貸住宅」を「シェア」のコンセプトでつなぐという前代未聞のプロジェクトを実現させた起案者はどんな想いで開園に至ったのでしょうか。
今の段階で一番嬉しかったのは、子どもたちの面接をして「入所したい」とたくさんのご家族に来ていただいていることですね。やっぱり今までの保育園と異なり、『拡大家族』、コミュニティづくりの一環としての保育園という考え方に賛同いただいている方が来られています。
想像以上に近くにお住まいのご家族の方が興味を持って連日来ていただいていることに驚いています。「この園と関わりたい」という方も多いですね。例えば、近くの商店や活動されている方々が見学に来る中で、ご自身のスキルを使って一緒に何かできないかなど、アイデアをたくさんいただいています。地域の人もどんどん来てもらって子育てをみんなで支えよう、保育園をシェアしようという我々のコンセプトに共感いただいて嬉しいですね。
クラウドファンディングで資金が集まったあと建物を作っていくプロセスは時間もお金もかかりたいへんでした。今までの保育園づくりと異なるのはシェアハウスと保育園の融合ということでコンセプトがブレないようにかなり気をつけていました。関わる人によってそれぞれ想いも違いますから。そこをまとめていくのは苦労もありましたが、そこが醍醐味でもあり、それだけ多くの関係人口を作っていけるということなのでやりがいでもあります。
給食の食器や家具は通常の保育施設用のものではなく、家庭用の温かみがあるものだけを使っています。拡大家族、というコンセプトなので「家」であることにはこだわりましたね。
ほかにも建物壁面の木の材はシングルパネルといって外装材なのですが、部屋の中の壁面も同じ材を使っています。これは「外の人、ウェルカム!」という私たちの姿勢を表現しています(笑)。さらに床をテラコッタにしているのですが、イベントをする時にそのまま靴でも入ってこれるような想定にしています。地域に開いていく考え方でやっていますので。
投資をしていただいた方に、完成した実物を見ていただける、入所している子どもたちの姿を見ていただける。それがクラウドリアルティさんで出資を募った意義だと思っています。ただお金を出してもらって終わり、というわけではないところが銀行と異なるところです。投資をしていただいた方も大きな家族の一員だと思っています。
地域のみなさまには「あそこにいくと面白い人がいて出会いがある」、利用者にとっては「帰ってこれる家」という存在になりたいと思っています。ただ施設を作るだけではなく、コミュニティづくりだと考えています。
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