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山下耕太郎

投資から寄付まで、クラウドファンディングの各分類を比較して特徴を理解しよう

クラウドファンディングを6つに分類し解説!

クラウドファンディングには、クラウドリアルティのように投資の一種であるものから、控除も受けられる寄付型まで様々な種類があります。今回は投資・金融ライターの山下耕太郎さんに、クラウドファンディングについて分類の上、それぞれの特徴を解説いただきました。

目次

クラウドファンディングとは

クラウドファンディング(Crowd Funding)とは、Crowd(群衆)とFunding(資金調達)を組み合わせた造語です。ある目的を持った法人や個人に対し、インターネットなどを利用したプラットフォーム(専用の仕組み)を利用し、不特定多数の出資者が集まって資金を提供します。

クラウドファンディングは、新たな事業資金の調達方法としてだけでなく、投資としても注目されています。

クラウドファンディングの種類と主なサービス

クラウドファンディングは、主に次の6つに分類できます。

  • 寄付型クラウドファンディング
  • 購入型クラウドファンディング
  • 融資型クラウドファンディング
  • 不動産投資型クラウドファンディング
  • ファンド投資型クラウドファンディング
  • 株式投資型クラウドファンディング

それぞれの特徴と主なサービスについて解説します。

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寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、インターネット上で寄付を募るものであり、金銭的なリターンは想定されていません。ボランティアや災害復興、海外の難民救済等に利用されます。

寄付金を集める仕組みとして2011年の東日本大震災後に急速に広がりました。調達者は、サイトに資金を調達したいプロジェクトの内容や意義を提示し、その内容に共感した出資者がサイトを通じて資金提供を行います。

寄付型クラウドファンディングは、出資者に対するリターンはありません。ただし、プロジェクト活動報告やお礼の手紙などが届けられる場合があります。

寄付した金額を寄付金控除として利用できるケースもあり、そのような場合は節税効果があります。それでは、代表的なサービスを紹介します。

Ready for Charity

寄付型クラウドファンディングとして有名なのは、「Ready for Charity」です。クラウドファンディングのREADYFORが、非営利団体活動を行う団体のために立ち上げた寄付型クラウドファンディングサービスです。

社会貢献や大学などの研究開発費、NPO法人の運営費などに利用され、全国の非営利活動を支えるサービスとなっています。

A-port寄付型

A-portは、朝日新聞が主催する寄付型クラウドファンディング。サイトだけでなく、朝日新聞などメディアで紹介される可能性があるのが強みです。

起案者は、支援を寄付として受け取れます。A-portのプロジェクトは、リターンがない、もしくは金銭的な負担が少ないものに設定されています。また支援者は、寄付先が国や自治体から支援を受けているなど一定の条件を満たしている場合、「寄付金控除」を受けることが可能です。

多くの自治体が取り入れている「ふるさと納税」と同じ仕組みですが、寄付先が条件を満たしていない場合は寄付金控除の対象にならないので注意が必要です。

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購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングは、ウェブ上でモノづくりなどのプロジェクトに対して資金調達が行われ、そのプロジェクトの成果となるモノやサービスなどが、対価として資金提供者に還元されるクラウドファンディングです。

そのプロジェクトでしか手に入らない特別なモノやサービスを、特別価格で購入できる場合もあります。購入型クラウドファンディングの出資者のメリットは、新しいプロジェクトを応援できることと、他では手に入らない特別なモノやサービスリターンとして得ることができることなのです。

ただし、投資とリターンの経済的バランスは、必ずしも見合ったものではありません。10万円投資しても、金銭的リターンに換算すると1万円以下ということもあります。あくまでも、出資者の満足感が対価の一部となっているのです。

購入型クラウドファンディングの主なサービスをご紹介します。

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

CAMPFIREは、日本最大級の購入型クラウドファンディングプラットフォーム。出資者は資金に対して金利や株式ではなく、モノやサービス・体験といったプロジェクトでしか手に入れることのできないリターンを得ることができます。

過去にCAMPFIREに掲載されたプロジェクトは、これまで100回以上新聞や雑誌・テレビの取材を受けています。また、ツイッターなどのSNSでプロジェクトが共有されることで、プロジェクトを実行する前から、多くの共感を呼ぶことが可能です。

kibidango(きびだんご)

kibidangoは、プロジェクト成功率8割を誇る購入型クラウドファンディング。「鬼退治(魅力的なプロジェクト)」を掲げる「桃太郎16世(プロジェクトオーナー)」に共感した「イヌ吉・サル子・キジ男(サポーター)」が集まって、みんなで実現を応援するという場がkibidangoです。

kibidangoでは、ライターやデザイナー、プロジェクトマネージャーなどの豊富なキャリアを持つスタッフがサポートしてくれます。ただし、プロジェクトオーナーとしてアイデアを実現できるスキルを有するプロフェッショナルを前提にしています。できるかどうかわからない「夢を応援する」サービスではなく、単なる物販ではない、新しい買い物体験を提供するサービスを目指しているのです。

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融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

融資型クラウドファンディングは、ソーシャルレンディング、貸付型クラウドファンディングと呼ばれることもあります。これまで金融機関や貸金業者が担ってきた個人や法人への貸付の原資を投資家から集め、そのリターンを一般的には金融機関や貸金業者よりも高い金利で返す仕組みです。

融資型クラウドファンディングの事業者は、匿名組合など集団投資スキームによって投資家から資金を調達し、資金需要者に貸し付けます。集団投資スキームの自己募集には第二種金融商品取引業の登録が必要で、資金を貸し付けるためには貸金業の登録が必要です。

投資家は資金需要者への共感や参加といった意識ではなく、投資リターンを得る目的で資金を提供します。投資家は事業内容や利率を確認し、納得できたら資金を提供するのです。出資金は金利を上乗せして返済されますが、毎月返済される場合もあれば、満期に一括返済される場合もあるので、あらかじめ確認しておく必要があります。

融資型クラウドファンディングの主なサービスは以下の通りです。

SBIソーシャルレンディング

SBIソーシャルレンディングは、「お金を借りたいニーズ」と「お金を運用したいニーズ」を結びつけるサービスです。借り手は少ない金利負担でお金を借りられますし、投資家はリスクを取る分、高利回りの資産運用が可能です。

1万円と少額から投資でき、3.0~10.0%の分配金を毎月受けられるというのが特徴です。

Crowdcredit(クラウドクレジット)

クラウドクレジットは、海外案件に特化したクラウドファンディング。さまざまな国の人や事業者へのローンに投資し、ファンドの利回りが4.0~11.1%と高いのが特徴。1万円から投資可能で、投資が初めての人から、大口投資家まで少額から投資できます。

伊藤忠商事などが出資していて、信用度が高いのも魅力です。

不動産投資型クラウドファンディング

不動産投資型クラウドファンディングは、事業者を通じて直接的に不動産への投資が可能です。クラウドファンディング事業者が投資家から資金を集め、不動産を取得して運営します。

一般的な不動産投資では多額の資金を用意しなければいけませんが、不動産投資型クラウドファンディングでは、数万円から投資可能。低リスクで気軽に不動産投資することが可能です。

また、実際に投資している不動産の情報が公開されているので、ソーシャルレンディングよりも透明性が高いというメリットがあります。

以下に挙げるのが、主な不動産投資型クラウドファンディングの主なサービスです。

Crowd Realty(クラウドリアルティ)

クラウドリアルティは不動産投資に特化していて、不動産に係る資金調達と投資家のニーズをマッチングさせるためのサービス。国内外の不動産に関する新たなプロジェクトに取り組む起案者に対して、必要な出資を募る「場」を提供しています。

クラウドリアルティのファンドは、海外の不動産案件のほか、「京町家の取得」を目的としたファンドなどユニーク。また、投資対象不動産の大まかな住所が公開されているので、ファンドの透明性が高いという点が特徴です。

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ファンド投資型クラウドファンディング

ファンド投資型クラウドファンディングは、運営業者が第二種金融商品取引業登録をし、集団投資スキームの媒介を行います。融資型クラウドファンディングのリターンは、プロジェクトの成果に基づいて、金銭によって投資家に支払われます。

投資家のメリットとしては、予定したリターンよりも大きなリターンが得られる可能性があるということです。ソーシャルレンディングでは決められた利回り以上のリターンをだすことはできませんが、ファンド投資型クラウドファンディングでは、投資した企業が想定以上の売上をだせば、得られる分配金も増えるのです。

ファンド投資型クラウドファンディングの主なサービスは以下の通り。

セキュリテ

セキュリテは、一口数万円から出資できるインパクト投資プラットフォームです。経済的なリターンを求めるだけでなく、それぞれの地域で抱える課題や貧困・環境などの社会的な問題解決に力を入れていて、経済的な価値と社会的な価値の両方を追求する新しい投資の仕組みです。

株式投資型クラウドファンディング

株式投資型クラウドファンディングは、インターネットを通じて誰でも未公開企業に株式(エクイティ)の形態で投資できる枠組みです。出資するとその会社の株式を取得でき、業績に応じた配当を受け取ることができます。2014年5月に成立し、15年5月に施行された金融商品取引法により解禁されたクラウドファンディングの新しい仕組みです。

投資家は、非上場のベンチャー企業や中小企業を応援できます。また株式投資型クラウドファンディングの最大の魅力は、株式上場を実現すれば大きな利益が得られることです。数万円で購入した株が数十倍になることもあります。

ただし、ベンチャー企業や中小企業は体力が十分ではないことも多いので、上場企業よりも倒産の可能性が高いという点に注意が必要です。

株式投資型クラウドファンディングの主なサービス

FUNDINNO

FUNDINNOは、2017年4月に日本初の株式投資型クラウドファンディングとしてスタート。インターネットで気軽にベンチャー企業への投資ができます。複数の公認会計士が厳しい審査を実施し、その審査を通過した案件のみを募集しています。

10万円程度から投資可能で、日本だけでなく世界を変えていくベンチャー企業への投資が可能です。

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まとめ

今回は、以下のような日本で運営されているクラウドファンディングの種類と、サービスについて解説しました。

  • 寄付型クラウドファンディング
  • 購入型クラウドファンディング
  • 融資型クラウドファンディング
  • 不動産投資型クラウドファンディング
  • ファンド投資型クラウドファンディング
  • 株式投資型クラウドファンディング

それぞれに特徴があるので、気になったサービスがあればチェックしてみてください。


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Profile

金融・投資ライター
山下耕太郎

一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。ツイッター@yanta2011


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